家族で外食。お父さんやお祖父さんが「何でも好きなものを食べていいぞ!今日は俺の奢りだ!!」と威勢よく言う場面で、なぜかあなたはビクッとしませんか?
それは、「結局何を注文しても怒られるから」。
そして、あなたは「何でも好きなものって言ったじゃん…」と内心で不貞腐れながら、親の怒りを浴び、冷めた料理を食べ、家に帰っては他の家族から「またあんたのせいでお父さんの機嫌が悪くなった…」と白い目で見られる。
だから、人から奢られるは嫌なんだと、デートでも割り勘を強行する女になってしまったのは誰だ〜い?…筆者です。
今日も中学生のぷに子が、そんな大人になった筆者に相談します。
相談:ぷに子(14)外食で、親から「何でも好きなものを頼め」って言われたらどうすればいいですか?
私の父は、月1くらいで家族を外食に連れて行ってくれます。
でも、私にはそれが怖くて胃が痛くなります。
父は、いつも機嫌よく「何でも好きなものを注文しろ!」と言います。
私は鶏肉が好きなので、鶏系のメニューを食べたいのですが、そうすると父は「俺の稼ぎを馬鹿にしているのか!?」と言っていきなり怒りはじめます。「俺が奢ると言ったら、牛肉を頼め」「一番高いやつを食べろ」とのことです(…ファミレスなんですが)。
…もちろん、値段には…常識的に気を使います。高いメニューは気が引けます。でも、ただ普通に鶏肉が好きなので食べたいです。牛はちょっと苦手です。
オドオドしていると、母が睨んできます。
慌てて父が寄越してきたメニューのページからステーキか何かを選ぶのですが…その時にはもう父は不機嫌になっているのです。
家に帰ると、母から「空気読め」と怒られるのです。
別の日の外食では、最初からステーキを頼もうとして、「お前は、人の金で真っ先に一番高いものを食おうとするのな。大物だわ。」と言われてまた不機嫌にしてしまいました。
また、別の日、期末テストで一番だったので、祖父母も誘って外食に行くことになりました。「好きなものを選んでいい」というので、「ラーメンがいい」と言ったところ、「祖父母も好きなものにしろ。空気読め。」とお寿司になりました。
母や妹からは「お前のせいで空気が悪くなった」と言われますが、私に言わせれば「お母さんにも妹にも、父の矛先は向いてないじゃん」と思います。
親から、外食先で「好きなものを頼め」と言われたらどうするのがよいですか?
回答:常に相手の満足する回答を心がけましょう
ぷに子さん。こんにちは。
目上の人間から外食に連れ出され、「好きなものを選べ」と言われた時の回答には、社会人でも困るものです。
ただ、鉄則は「自分の食べたいものを注文するのではなく、奢る相手が満足する選択をする」ということです。奢る相手を気持ちよくすることが奢られる貴女の仕事です。…まあ、それを慎重に上手に探るのが難しいのですが。
相手がお父さんであれば、まず、「お父さんは何を食べるの?」と聞いてみましょう。
そこで、ステーキなら「じゃあ、私も。これにしようかな。」とワンランク下のものを指差してみましょう。
そうすれば、「なんだ、お前。お前もか。じゃあ特上2つ!」(←娘の分も勝手にランクアップする)という具合に威勢よくことが運ぶ可能性はあります。
お父さんに「おすすめ」を聞いてみるのも良いですね。
メニューを選んでいるときに、さりげなく、「これにしようかな」と「迷うな〜」などと話しかけてみてください。そうしてさりげなくお伺いを立てるのです。「なんだ、一番良い肉を食え!」と言うならば、一歩下がって、「いいの?…では、ご馳走になります。」と言って牛ステーキでも何でも注文しましょう。
その段階で、「何でもいい」と言う雰囲気なら、そこそこの値段のものを注文しましょう。
家族で大皿をシェアする場合や、外食先を決める権利(ラーメンか、寿司か…)がある場合は、一番目上の人かお金を出す人の好物から決めましょう。
祖父母も一緒の場合は(油物は無理など、食べられるものの範囲が狭い可能性があるので)気を遣いましょうね。ご両親もお祖父様・お祖母様に気を遣っているでしょうから、たとえ子供のリクエストだとしても「どこでもいい」というわけにはいきません。もう中学生なら、空気を読みましょうね。
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ぷに子さんは、中学生ですね。
もう理論的に物事が考えられるようになってきて、物事の整合性などを判断できる年頃ですね。
だからこそ、親御さんに対して「昨日と今日で言っていることが違う」とか、「好きなものを選べと言っておいて実際は正解がある」とか、そういうことに混乱し、時には苛立ちを覚えるのですよね。
そして「私には、一貫した意見を言えと怒るのに!」などのきっかけから、反抗期に突入することもあるではないでしょうか。
しかし、そこはグッと堪えてください。
「親は神様ではなく人間だ」というセリフ、これは「親だって間違いはある」という文脈で使われますね。でも、貴女はそれを「一生懸命やっていても過ちはある」と解釈していますね。
でも、もう少し拡大解釈できますか。
昨日と今日で、いってみれば「気分」で言っていることが変わる。自分の機嫌をとらせてしまう。「完璧でない人間」…それは、貴女が思っている以上の「不完璧さ」なのですよ。
だからといって、自分もイライラしていたから「弱いものいじめ」してもいいというわけではありません。自分はしないように、と思いながら、涙を堪えながら、生きていれば、いつか受け止められる度量がつきます。
お父様がえこひいきしてくる場合
お父様が、お母様そっちのけで貴女にだけ「良いものを食え」と言ってくる場合は、さらに事態がややこしくなりますね。
お母様が専業主婦である場合はなおさらです。自分は気を遣って値の張らないものを食べているのに、娘は言われるままに高いものを食いおって…とイライラするでしょう(貴女は無邪気に食べているわけではないのですけれどね)。
家に帰れば嫌味を言われるかもしれません。
ですから、きちんと「空気を壊さない努力をした」という過程をお母様にも見せることも必要になってきます。
つまり、きちんとお父様におうかがいを立て、「良いものを食えよ」と言われてから、空気を壊さないよう、申し訳なさそうに「じゃあ、いただきます。」とステーキを選ぶ。その過程が大事なのです。
一連の流れを経て、「家族の雰囲気を壊さないためにはこうするしかなかった」として高い料理を食べるのです。
…ただ、それでも家に帰ればお母様から嫌味を言われること、ありますよね。
その空気を察したら、すかさず「今日は、ごめんね。」謝りましょう。ご両親双方を満足させる回答が難しいことは、往々にしてあります。どう転んでも貴女が悪者になってしまうのですよね。お父さんの機嫌を取れば、お母さんの機嫌が悪くなる…とても混乱し、辛いと思います。それでも、淡々と、求められる言葉を探すのです。
おわりに
目上の人間から、「好きなものを選べ」と言われることは、社会人になってからもあることです。
「親」ひとりひとりが違う人間であるように、上司のひとりひとり違いますので、絶対的な正解はありません。
ただ、「好きなものを選べ」と言われている時、相手が選ばせたいものを選ぶと言うのはお約束です。それが、「一番高いものを選べ」と言っているのか、「店の自慢の目メニューを選べ」と言っているのか、「値段は空気読んで気を遣え」と言っているのか、…そこは場数を踏んで空気を読みましょう。
筆者のように、父の言動から逃げ、努力を放棄して怒られながら鶏肉を食べるような人間になってはいけません。頭を振り絞って、奢ってくれるお父さんが求める答えを探りましょう。
逃げれば、社会人になってから「あ、あの時のシチュエーションが!」ってなります。そしてまた回答に窮します。
お父さんが「好きなものを選べ」と言ってきたら、思考回路的に逃げたくなるのはわかります。でも、社会人としての練習として、お父さんの胸を借りると思って、頑張るのです。機転の効いた回答ができるようになるといいですね。
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