英会話スクールは無駄!?アメリカ生活でも困らない英語力の身につけ方とは?

習い事

筆者は子供時代に英会話スクールに通っており、その後大手や個人指導のスクールも経験しましたが、「英語力がしゃべれるように」はなりませんでしたし、「受験英語は楽勝」という状態にもならず、時間と費用を無駄にしてしまいました。

しかし、そこから紆余曲折あり、25歳の頃、一念発起してアメリカで半年以上過ごし、現地の友達と二人で旅行をするほど、「英語圏での生活を楽しめる語学力」を身に付けることに成功しました。

この記事では、長年努力しながらも英語力が身につかなかった原因を考察するとともに、アメリカでの日常生活に困らないレベルの英会話スキル取得方法をお話しします。

英語が身につかなかったケース

筆者は小学校5〜6年生の2年間、英会話スクールに通っていましたが、今思うと無駄な時間だったと思います。また、中高生の頃は受験用の予備校で英語のクラスを受講していましたが、全く英語がしゃべれるようになりませんでしたし、受験・英検等の成績もなかなか上がりませんでした。

大人になって改めて振り返って、なぜ当時通った英会話スクールや予備校で英語が身につかなかったかを考えたことをまとめます。

なぜそれを練習するのかわからない

子供の頃に通った英語塾では、先生の後についてテキストを読む「シャドーイング」が中心でした。スクールでは、テキストの英文の「文の塊」ごとにスラッシュを書き込みながら、ひたすら音読をするというレッスンでした。しかし、当時は「なぜそこにスラッシュを書かされるのか」が、よくわからないまま通っていました…。

アクセントはたまに直してもらいましたが、文法や発音についてもあまり指導してもらった記憶がなく、ただ「読む練習」になっていました。英文の音読は、英語習得において大変重要ですが、「何も意識せずにただ読む」だけでは効果が薄い、無駄が多い練習と言えます。

英語をゼロから習う子供は、英語学習にどのような要素(発音・アクセント・文法など)があるか把握していません。ですから、指導に何が足りないのかわからず、ただ言われた通りについていくしかありません。

「英語に親しむ」ことが目的と言われればそれまでですが、筆者としては(口コミで生徒が実際に英語を話せるようになった、英検に受かったなど)「指導実績のある」先生やスクールをおすすめします。

「聴く」量が圧倒的に少ない

英語を習得するのに、週1回のレッスンは少なすぎます。筆者が、後に英語を話せるようになったときは、毎日、朝起きてすぐ英語のCDやラジオを流し、通勤中もイヤホンをするなど1日何時間も耳を慣らしました。

この経験を踏まえると、子供を英会話スクールに通わせる場合は、レッスン外の時間にいかに英語に触れる機会を作るか(その工夫を手助けする指導をしてくれる先生か)も重要だと思います。宿題を通して毎日英語を聴く習慣をつけさせたり、つい口ずさんでしまう歌を教えてくれるスクールが良いでしょう。

また、英語塾での授業が単調で面白みがなく、家に帰って話したくなる内容がありませんでした。ですから、レッスンが終わった瞬間から日本語モードになり、習ったことを思い出して話したり積極的に使ってみようという気にならず、「習いっぱなし」状態でした。これではせっかくのレッスンが無駄になってしまいます。

英語での「会話」が圧倒的に少ない

英語での会話文を「読む」だけでは「会話の訓練」をしたとは言えません。会話の訓練とは、相手から投げかけられたフレーズに対して、自分の頭で言いたいことを組み立てて、適切なフレーズを英語で返すことです。ジェスチャーや表情も加えて「通じるように」話すよう練習する必要があるのです。

また、「お!通じた!」という小さな達成感を積み重ねることで、徐々に英会話ができるようになっていくものです。その感情を感じられなければ、英会話の練習をしているようで実際には練習になっておらず、意味も分からずただ台本を読んでいるのと同じです。スクールに通ってもいまいち達成感がない場合は、練習法を考え直す必要があるでしょう。

日本語と英語の根本的な違いについての説明がない

日本語と英語には、根本的な違いがいくつかあります。例をあげると、日本語の「て、に、を、は」がない代わりに英語は「語順」でそれを示します。動詞を覚える時は、「自動詞」「他動詞」をしっかり意識せねばなりません。

ところで、英語を習いたての頃、スクールの先生はそれを意識させてくれたでしょうか。筆者は、わけがわからないうちに唐突に「S(主語)、V(述語)、C(補語)…」が始まったように記憶しています。このあたりを「なんとなく」理解して進めてしまうと、中学卒業くらいまでは成績を保てても、高校あたりで「ドン詰まり」になってしまいます。

良い先生の選び方は?

先生はただ外国人であれば良いというわけではありません。英語と日本語の根本的な違いを理解し、「日本人に英語を指導する」ことに長けている必要があります。英語が母語の方の場合、「当たり前」になっている部分を知らず知らずのうちに飛ばして教えている可能性があるのです。

また、英語には日本語にない概念があります。外国語を習いたての頃は、「日本語にはない概念があるということ」それ自体に考えが至らず、混乱します。この混乱を理解して、生徒の腑に落ちる説明ができ、「英語脳」を作る手助けをしてくれる先生が良いでしょう(「英語とはそういうもの」という曖昧な説明に留めない先生が良いですね)。

これらを踏まえると、英語塾を選ぶ際は、「英語圏で暮らす子供に英語を教える場合」と、「日本人の子供に英語を教える場合」の違いをしっかり心得た上で教えてくれる方が良いと思います。その意味では、「英語を習得した」経験を持つ日本人の先生と、発音を補助する外国人の先生の両方がいる教室がおすすめです。

英語が身についたケース

筆者は大学生になったも「英語が得意」とは、決して言えるようなものではありませんでした。ですが、25歳(当時博士2年)のとき、研究で10ヶ月間アメリカに滞在する機会を得ました。当時は完全にカタコトのまま、周囲に心配されながら飛び立ちました。

「留学したなら英語ができるようになって当然!それは反則だ!」と思うかもしれませんが、それは誤解です。実体験から申しますと、英語圏で生活したからといって、「自然に」話せるようになるわけではありません。それに、留学しても日本人同士でかたまって会話してしまい、せっかくの機会を無駄にしてしまう人も少なくないのです。

筆者は、日本人がいない研究室に所属していましたが、3ヶ月が経過した時点でもカタコトのままで、「(アメリカに来たら自然に話せるようになるわけじゃないんだ…)ヤバイ!このままじゃ日本に帰れない!!」と焦り、そこから猛特訓しました。

アジア人と積極的に話す

日本語と英語は、発音の仕方が大きく異なります。ですから、いきなりネイティブスピーカーと話すと、文法と発音の両方に気をつけながら話さねばならず、それが大きな負担になります。

私はまず、留学先で中国人、タイ人、インドネシア人の友達をたくさん作りました。正直、アメリカで生活するアジア人全員が、英語を上手に使いこなしているというわけではありません。発音がちょっと「アジアっぽい」のです。お互いの「共通言語」として、まず英語をしゃべってみるのです。

この場合、英語は相手にとっても「習得中」の言語ですから、しっかりした文法で話してくれてわかりやすいですし、ネイティブより多少ゆっくり話してくれます。何より、発音が「英語英語していない」ので、まずは「言いたいことを英語の文法にのせて話す」ことにのみ集中して話せます。

現在は、様々なオンラン英会話スクールがあります。筆者はEnglish Centralというオンラインの教材を使っていましたが、会話の相手になってくれたのは、アジア系の方が多かったです。東京は今、外国人で溢れていますし、あちこちに英会話サークルなどもあります。そこで「英語が母語でない外国人」と話してみると、聞き取れる安心感から英語に対するハードルが低くなります。

サークルに顔を出しまくる

筆者は、アメリカ滞在中に様々なサークルに顔を出しまくりました。スポーツジムに行けば、掲示板に「一緒に山登りに行きませんか?」という仲間募集のポスターがあり、地域には料理教室がありました。これらの説明や顔合わせ、初回講習にとにかく参加し、メンバーと気が合いそうなら、とにかく参加していました(無料のものがほどんどでした)。

そうすることで、まず自己紹介をする機会が増え、自分を紹介することがかなりスムーズにできるようになりました。もちろん、最初は失敗しまくりました。そして、「ああ言えばよかった、こう言えばよかった」という思いを溜め込み、その悔しさ恥ずかしさを次に活かすのです。

日本にもそういった国際交流系のサークルが数多くあります(帰国後、目につくようになりました)。学生、社会人問わず、検索すれば色々見つかります。そこで、会話の練習として、まずは「自己紹介」だけでもできるという自信をつけましょう。

宗教的な空間に抵抗がなければ、キリスト教会で英会話レッスンを行なっているところもありますので、利用してみましょう。筆者の家系は仏教徒ですが、アメリカでも日本でも教会の英会話スクールを利用していました。

最初は、信者でもないのに教会に出入りするのは失礼かと思いましたが、英会話のみの目的であっても、(アメリカでも日本でも)快く受け入れてくださいました。教会では、日本に住みながら外国人の友人を得られる貴重な場なのです。

英語圏のショピングモールを活用する

アメリカには、巨大なショッピングモールがあります。モールに行かなくても、Walmartなどの巨大なスーパーマーケットに行っても良いでしょう。そこで、いろいろな店員と短い会話を繰り返すのです。英語圏に旅行する機会があれば、試してみてください。

まずは、日用品から「○○を探しているのですが…」と行って、売り場まで連れて行ってもらい「Thank you!」でお別れする。筆者は、最初のうち、この短い会話すら通じず「Sorry」と返されていました。

最初のフレーズが通じても、帰ってきた言葉が理解できずに、こちらが「Sorry」と言って会話が終わってしまうこともありました。それでも頭の中で何度もシミュレーションし、リトライするのです。

ショッピングモールなら、たくさんのお店が入っているので、次々にアタックできます。一つの店で店員と気まずくなっても、「Sorry」と言ってすぐ店を出て、隣の店でリトライです。筆者は、「日本に持って帰るお土産を探しています。何かおすすめありますか?」で何件もトライしました。

相手の言葉が聞き取れなければ、「もう少しゆっくり話してください」というフレーズを覚えて、使ってみます。こちらが返答できずに頭が真っ白になったら、「Sorry」と言って店を出て、外で形勢を立て直します(広いので休憩スペースはたくさんある)。自分は何と返せばよかったのか、日本語で考えて翻訳機で答えを見てリトライするのです。

英語の勉強方法おすすめ

日本にいながら英語力を身につけるには、先に示したように「英語を使う場面」を見つけて積極的に参加していくことに加え、旅行や留学(学校の制度で費用を負担してもらえる場合もあり)を通して英語を使う日常を経験しましょう。

英語を「使う」ということを脳にしっかりイメージすれば、単語やフレーズをノートに書き取るといった無味乾燥な勉強方法より、よぼど自然に頭に入れることができます。

また、実際の使用場面を経験すると、TOEICの問題がよくできていることに気づきます。ざわついた空港で、メモをとる余裕のない中、搭乗ゲートの変更先を知らせる放送を聴き取らねばならないなど、意外とよくあります。実際に経験して、「本番」を意識しておくと、机での勉強にも身が入るでしょう。

英語力が身に付くゲーム

楽しみながら英単語を身につける方法として、「単語当てゲーム」がおすすめです。これは3〜5人で行うカードゲームで、カードには、一枚につき一つの単語が書かれています。

一人がカードを引き、自分以外のメンバーにその内容が見えるように、頭の上でカードを開示します。その他のメンバーは、カードに書かれた単語について様々な言葉で説明し、回答者に当てさせるゲームです。なお、回答者以外のメンバーが、単語を直接言うことは反則です。

このゲームは、単語力がつくとともに、説明力がつきます。海外に行った時は、意外とモノを説明する場面に出くわします。例えば、「私のカバンを見なかった?色は赤で、形は…」と説明する場面もあれば、店で「○○がほしいんだけれど…。○○というのは、こう使うもので…」と説明する場面もあります。日本で普通に売っていても、海外ではそうでない場合(または、売り場が異なる場合)もありますからね。

大学受験でも、単語を説明させる問題に出くわしたことがあります。「救急車」という単語を、英語で説明せよなどが出題されました。このような練習は、普段から頭の体操になるので、身の回りのいろいろなモノを英語で説明する習慣をつけてみましょう。

アフタースクール

アメリカには、移民として暮らす人たちがたくさんおります。また、配偶者の仕事で付いてきたけれど自身は全く英語はしゃべれない奥様などもたくさんおります。そのような人のためのアフタースクールが、なんと無料で開講されていました!

アフタースクールとは、高校の通常授業が終わった後に開講される夜間学校のようなスクールです。私はこのスクールに、週4回、研究所での仕事が終わってから通っていました。もし、仕事で半年以上の長期滞在の予定があれば、こうした地域の取り組みを探してみてください。

このスクールで、私は初めて「英語で英語の授業を教わる」という経験をしました。最初は抵抗がありましたが(そもそも英語がカタコトなのだから、聞いてもわからないのでは…)、授業自体は中学英語がわかれば聞き取ることができました。案外、日本語で「過去分詞、過去完了…」などと教わるより、英語のままストレートに教わった方がわかりやすい場合も多いのです。

生徒は様々な国から来た外国人で、みな積極的に手をあげて質問していたのが印象的でした。クラスは生徒のレベルごとに分けられており、筆者は「アメリカでの日常生活ができるレベルになること」が目標のクラスにおりました。

1週間に1テーマが決めれており(例:病院に行く)、それにまつわる単語、フレーズ練習、ロールプレイング形式での会話練習と進みます。一週間ごとに「できるようになったこと」が体感できることと、「これで病院に行っても安心だ」などとと思えることでやる気が継続しました。

アメリカ(州によって差があるとは思いますが)は、さすが移民の国というだけあって、ともに暮らしていくための「大人の教育」制度が地域に整っていることが驚きでした。授業が全て実践を前提としているため、全く無駄のない内容という印象でした。

まとめ

英語の学習方法は、様々なスクールや個人の方が提唱しています。今回私がお話しした方法は、都心寄りの外国人の人口もある程度多い地域に住んでいるなど、条件の合う人にしか実践が難しいと思われるかもしれません。

ですが、最近はエンターネットを介したサークルに参加してみたり、外国人旅行者を家に泊める「カウチサーフィン」に登録してみるなど、様々な方法があります。「英会話」にはどうしても話す「相手」が必要です。その相手を積極的に探しに行きましょう。

  • 英語塾に週1回通うだけでは「聴く」「話す」量が圧倒的に足りない
  • アジア人と「共通言語」として英語を話してみることがおすすめ
  • 英会話のチャンスはショピングモールで店員と
  • 英会話のチャンスはサークルや教室の説明会
  • 英会話のチャンスは教会主催のスクールで
  • 英語圏への赴任予定がある方は、公共のスクールを探してみよう

おわりに

筆者は、机での勉強がとても苦手です。また、「これ、いつ使うんだ…」「やっても無駄なんじゃないか…」と思うとやる気が出ません。ですから、私と同様の理由でモチベーションが上がらない人は、積極的に「使う場面」を体験しに行きましょう。

これまでは、「”This is a pen.”なんて絶対使わない」思っていましたが、お土産物屋さんに変わったデザインのペンがあり、実際に”What is this?” “Oh! This is a pen.”というやり取りを何度かしました。また、スーパーマーケットには日本にないデザインのものが色々あるので、”What is this?” “This is a ○○.” という、フレーズ(penを他の単語に変えただけ)はかなり使ったと思います。

筆者は、渡米先で英語が話せるようになりましたが、日本にいながら応用できることも多いと思います。また、実際留学を検討される場合は、「日常」をフル活用できるように、治安の良い街を選びましょう。

日本でも海外でも、様々な「外国人(アジア人含む)」と話してみると良いでしょう。一般に、「日本人は英語が下手だ」と言われますが、日本人以外も英語が大して上手でないことに気づきます。中国訛り、インド訛り…みなそれぞれです。「なぁ〜んだ!」と思うと、もっと気楽になれますよ。

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